VET BNCTプロジェクトについてVET BNCT promotion project

代表ご挨拶

鈴木 実
  • 複合原子力科学研究所
  • 粒子線腫瘍学研究センター
  • 粒子線腫瘍学研究分野
  • 教授

鈴木 実

私は、京都大学複合原子力科学研究所(以下、複合研)において、研究用原子炉を使用して、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)という中性子を使用する特殊な放射線治療の臨床研究に従事してきました。また、複合研に設置された中性子を取り出す小型加速器を使用してのBNCTの治験にも従事し、2020年6月から医療機関での加速器BNCTが頭頸部癌に対して保険診療が始まっています。  先進的医療であるBNCTが獣医学分野においても医療として承認され、多くの伴侶動物のがん治療にBNCTが貢献する将来を目標に、本HPを通じて、最新のBNCTNの研究内容、研究会などの情報発信をしてまいります。少しでも多くの若い研究者が、BNCT研究に興味を持っていただけるよう、努力してまいります。皆様のご協力をお願い申し上げます。
嶋田 照雅
  • 大阪府立大学 生命環境科学域附属
  • 獣医臨床センター長
  • 教授

嶋田 照雅

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、正常細胞に対するダメージは通常の放射線治療より遥かに小さい、放射線治療後に再発したがんも対象にできる、浸潤性のがんや多発がん、放射線抵抗性のがんにも効果が期待できる、治療期間が短い(1~2回の照射で完了、1回の照射時間は30~60分程度)、PET検査による治療効果の予測が可能であるという特徴があります。これら特徴は、がんの放射線治療の欠点を補うもので、BNCTが獣医療で確立されれば、体表ばかりではなく胸腔や腹腔の内臓の難治性のがんで苦しんでいる伴侶動物を救うことができる可能性があります。獣医療におけるBNCTの確立に向けて皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

プロジェクト概要

本プロジェクトがゴールとして目指すのは、ホウ素中性子捕捉療法、英語でBoron Neutron Capture Therapy、単語の頭文字をとってBNCTと呼ばれている放射線治療の一つであるがん治療法を獣医学分野に広げ、がんに苦しむ伴侶動物の治療法の1つとして確立することであります。
BNCTは、中性子線という放射線を使用する治療法です。長い間、研究用原子炉を利用して、基礎研究から、がん患者さんの治療の臨床研究が、実施されてきましたが、小型の加速器という機器から発生する加速器BNCT照射装置が開発され、2020年6月から、一部のがんのみですが、病院でBNCTが受けられるようになっています。伴侶動物の放射線治療では、人のがん治療と同じく、がんの患部に放射線を集中させる高精度放射線治療が導入されています。国の認可をうけた加速器BNCT照射装置の開発成功は、将来、BNCTが伴侶動物の治療にも使用できる可能性を拓いた大変重要な一歩と考え、本プロジェクト発足の大きなきっかけとなっております。
BNCT研究にこれまで従事してきた多くの研究者と本プロジェクトに多くの獣医学分野の研究者の方に参画いただき、本プロジェクトのゴールを目指していきたいと考えています。ご協力よろしくお願いいたします。

VET BNCTプロジェクトの目的

VET BNCTプロジェクトの目的

研究会・シンポジウム

本プロジェクトでは、定期的な研究発表および情報共有の場として、研究会・シンポジウムの開催を実施いたします。

次回開催予定

ホウ素中性子捕捉療法の獣医学分野への適応拡大に向けて -取り組むべき課題と異分野融合研究の可能性-

  • 開催期間
    2021年2月15日(月)~4月4日(日)
  • オンラインシンポジウム
    2021年3月4日(木) 9:50~17:00

よくあるご質問

実際に私のペットに治療できますか?
基礎的な研究の段階ですので見守って頂けると幸いです
いつごろ治療ができるようになりますか?
基礎研究にあわせて法律や治療設備、スタッフの体制など整える必要があります。長い目で見守ってくださると幸いです。
獣医師、研究者、学生です。どのようにすれば研究に参加出来ますか?
研究者や参加大学の紹介を追加してまいりますので、直接コンタクトをお取りいただくか 問い合せ先にメールいただければと存じます。